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わが子に障害がある人に向けて、「親なき後」の備えをサポート。家庭の状況や要望に合わせ、多彩な方法を提案。
わが子に障害がある人に向けて、
「親なき後」の備えをサポート。
家庭の状況や要望に合わせ、
多彩な方法を提案。

わが子に障害がある人にとって、自分が亡くなったり、認知症になったりしたときに子どもの暮らしはどうなるのか、とても気がかりなのではないでしょうか。

甲斐市島上条の「甲斐の國ひまわり事務所」の代表・板野利昭さんは、終活や相続など多彩なマネーコンサルティングサービスを展開する中で、特に障害のある子どもの「親なき後」対策に強みを持っています。
「障害のあるお子さんが親なき後もお金の心配をせず安心して暮らしていくには、親御さんが元気なうちに準備をしておくことが大切です。ご家庭の状況や要望に合わせ、さまざまな方法を提案いたします」
例えば、相続をスムーズに進めるための対策。親が亡くなると、残された家族は遺産分割協議という話し合いを行い、相続人全員が遺産分割協議書に署名、捺印をする必要があります。しかし、板野さんは「障害がある人は対応が難しい」と言います。
「障害の種類や程度によって字が書けなかったり、ハンコを押せなかったりする方もいます。障害のある子に意思能力がないと、本人に代わって成年後見人が遺産分割協議に参加することになるのですが、成年後見人は裁判所が選定したいわゆる第三者です。報酬も発生するため、手間も時間もかかり親の望み通りの相続ができない場合もあります」
こうした状況を避けるには、あらかじめ遺言書を作成しておくのが良いのだとか。「遺言」と聞くと大ごとのように感じるかもしれませんが、遺言書には遺産分割協議なしで手続きを進められる利点があるそうです。

板野さんは、必要に応じて弁護士や税理士、行政書士などの専門家もコーディネートし、チームで問題の解決へと導きます。

生命保険会社に35年以上勤務、家庭ではダウン症の子どもの父親として。
生命保険会社に35年以上勤務、
家庭ではダウン症の子どもの父親として。

また「将来、わが子の生活を誰がサポートしてくれるのか」と不安を感じている人もいるでしょう。板野さんは、子どもの年齢やきょうだいの有無などを考慮しながら、活用できる制度を紹介します。
「お子さんが現時点で未成年で、かつ、きょうだいや親族に将来サポートしてくれる意志があれば、任意後見制度を利用する方法があります。先ほどお話しした、第三者による成年後見人制度とは異なり、家族や親族が後見人になることができ、子どもをどのように支援してもらうか、などの内容も前もって決めておけます」
自分が亡くなった際の保険金を子どもに残す場合、多額のお金は管理が心配ですが、少しずつお金を渡せる生命保険信託という仕組みがあるそうです。
「これは信託銀行が保険金の受取人となり、事前に決めておいた方法でお子さんにお金を渡すものです。あらかじめ『毎月5万円を振り込む』などと決めておけば、信託銀行が振り込んでくれます」
保険金を信託銀行でなく家族などに託し、お金を管理してもらう民事信託(家族信託)という仕組みもあるのだとか。
生命保険会社に35年以上勤務し、保険や金融に関する知識に長けた板野さん。家庭では双子の男の子のお父さんでもあり、二男にはダウン症があると言います。

「親御さんたちは、親同士のネットワークで情報を交換したり、学校や支援機関に悩みごとを相談していると思いますが、お金のことは話題にしづらいですよね。インターネットでも情報収集はできますが、正しい情報を得るのは難しいと感じます」

何度でも相談できるサブスク型、子どもの成長に合わせて対策
何度でも相談できるサブスク型、
子どもの成長に合わせて対策

不安を抱えている人に、自分が培った知識や情報を還元したい。そんな思いから2022年、会社を設立しました。「私自身、子どもに今何が必要で、今後何をすればいいかを試行錯誤してきました。同じように悩んでいるご家族に、将来のお子さんの幸せに向けて一緒に悩みながら歩んでいけたらうれしいですね」
初回の相談は無料。契約コースは3種類あり、いずれも1年間何度でも相談ができる“サブスク型”です。
「子どもの障害の程度や内容は成長とともに変化します。親亡なき後対策は、ある一時点で決めればいいのでなく、子どもの成長に合わせて見直していく必要があります。年齢によって利用できる制度も異なりますので、そのタイミングを逃さずにしっかりと対策を打つことが重要です。お子さんに長く寄り添いながら、『このタイミングでこの対策をしておきましょう』といった提案をしていきたいと考えています」
コンサルティングでは、親なき後対策だけでなく、障害のある子どもや家族の思いを尊重し、障害の有無にかかわらず共に学ぶ「インクルーシブ教育」の情報も提供。行政機関や学校、児童発達支援センターなどとの関わり方や支援の受け方について、実際の経験をもとにアドバイスしてくれます。
モットーは、「決めつけないこと」。
「お客さまはこういう人だからこうだろう、と決めつけてしまうとニーズをつかむことはできません。思い込みを捨て、柔軟な思考で臨むことで、お客さまが本当に大事にしてるものは何かを把握するようにしています」

快活な笑顔と、分かりやすい話しぶりが印象的な板野さん。悩んでいる人は一度、相談してみてはいかがでしょうか。